おすすめ度:(3.0)
対象者:漠然と人生を幸せにしたいと悩んでいる人
こんにちは、毎週読書週間を目指すアラサー女子のウォンバット(@akikoo1)です。
橘玲さんの最新作『人生は攻略できる』を読みました。この著者の書籍のなかでは読みやすく、人生について多くの気付きを与えてくれるものでした。
橘玲さんといえば、ベストセラーの『言ってはいけない 残酷すぎる真実』や資本主義の基礎が理解できる『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ』など、小難しい本が多かったですが、本書の想定読者は中学生や高校生を想定している書き方となっています。
学校や大人が教えてくれないような新時代の考え方を伝えています。
本書の「まえがき」(人生は「攻略」できる)はBLOGOSに公開されています。本書の購入を検討している人は一度見てみるといいでしょう。
『人生は攻略できる』で伝えたかったことは?
この本は人生をロールプレイングゲームと考え、どのような戦略を練って攻略をするか?という考え方を伝えています。
またゲームでいうエンディングが1種類しかないものではなくて、最低限の攻略方法を伝え、いくつもあるエンディングを自分自身の手でつかみとることを推奨しています。
「幸福」になる方法はいくつもあるけど、どのように幸福になるのだろう?と考えている人におすすめの本です。
本書の構成は二部に分かれており、「世界編」と称し新しい時代のルールを解説する章と「攻略編」とし人生の仕組みを解説しています。
目次
- はじめに 人生は「攻略」できる
- 世界編1:人生はロールプレイングゲーム
- 世界編2:「自分らしさ」は友だちの中でつくられる
- 世界編3:「好きを仕事に」の法則
- 攻略編1:お金
- 攻略編2:仕事
- 攻略編3:愛情・友情
- あとがき
『人生は攻略できる』から勉強したこと
幸福のための土台作り
「幸福」になるためには、いずれかの資本が必要とし、いずれもひとつ持ってない人は「不幸」だと言ってます。
- お金(金融資本)
- 仕事(人的資本)
- 愛情・友情(社会資本)
昔、私は「幸せになりたい」と願ったことがありました。かといって幸せになるとはどういうことなのでしょうか?本書を読むまで幸せについて分解して考えたことはなかったと思います。
本書ではいとも簡単にロジックが語られていて、驚きました。
お金持ちになる方程式
本書では「お金持ちになりたい」と考える人への答えがたった一行で解答されています。
お金持ち = (収入 – 支出) + (資産 ✕ 運用利回り)
これを踏まえると、お金持ちになるには以下3つの方法があると書いています。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 運用利回りを上げる
そして収入を増やすためには、先程紹介した「幸福」になるためのロジックが重要となってきます。なぜなら「お金(金融資本)」の活用か、「仕事(人的資本)」の活用しか方法がないからです。
これも常識のごとく本書に記載されており、こうした事実を知っていると知らないということで人生を攻略できるかの差が生まれていると感じました。
社会の3つの働き方
日本ではなぜか誰も教えてくれないが、働き方には大きく3つあると述べています。
- クリエイター(創造的な仕事をする人)
- スペシャリスト(専門的な仕事をする人)
- バックオフィス(事務系の仕事をする人)
組織に属さない働き方を目指すなら、クリエイターまたはスペシャリストを目指すべきだとしています。
近年はAI(人工知能)をはじめとするテクノロジーが進化しているため、マニュアル化された仕事は機械が担うようになってくとのことです。
これを聞いて私は、バックオフィスはマニュアル化された仕事が多いので、他の働き方に就く方が無難な選択だと感じました。
『人生は攻略できる』で印象に残ったこと
本書は人生を分解して考え、ひとつずつ攻略することで人生全体の攻略も可能だと述べています。その中でいくつか印象に残ったことをピックアップして書いていきたいと思います。
AI時代でもピンクカラーの仕事は需要がある
どのような労働をしているかを指す用語として「色」で表す方法があります。
ブルーカラー:肉体労働を特徴とする働き方
ホワイトカラー:事務などを含む知的な精神労働を特徴とする働き方
本書では一般的なこの2つとは別に「ピンクカラー(共感力を必要とする仕事)」について語っています。
代表的なものは看護や介護で、「患者や顧客への共感力が重要となる」働き方です。時給で給与が払われる仕事のなかでもAIでは代替できないものとし、AI時代にも仕事の需要に影響を受けることがないとしています。
私にはピンクカラーという発想もなかったですが、この仕事が別のカテゴリーとして認識されることで、今後この業界の給与があがったりするのではと思いました。
ギブしても減らない2つのもの
「Give and Take(ギブアンドテイク)」という言葉は互いに持ちつ持たれつの関係であることを指しますが、分解すると対立する2者の存在があります。
本書では、ひとりひとりが自分の「評判」をもって生きていくためには、「テイカー(受け取る人)」ではなく「ギバー(与える人)」になることと言っています。
そしてギブしても減らないことに「面白い情報を教えること」「面白い知り合いを紹介すること」があるとし、どんどんギブしていくことで自分の人脈のつながりを築いていこうと教えてくれています。
この文章に出会えたことで、ギブってなかなかできないものの一つですが、減らないものがあるのであれば積極的にやっていこうという意識改革になりました。
まとめ
本書は人生において大事なことを簡単に伝えてくれています。本書の想定読者が社会人ではないと思われるので、平易すぎる部分があり読みづらさはありましたが、勉強になることばかりでした。
興味のある人は橘玲さんの書籍を読んで見ることをおすすめします。