おすすめ度:(4.0)
▼こんな人におすすめ
マーケティングで成果を出したい人
データだけに囚われずにプロモーションを行いたい人
こんにちは、毎週読書週間を目指すアラサー女子のウォンバット(@aka_wombat)です。
本書は「マーケティングを成功に導く手段として、ひとりの顧客に向き合うこと」を推奨し、その方法論や実体験を紹介した本です!
私自身マーケターとして働いてますが、「どうしたらマーケティングが成功=事業にインパクトを与えた」と言えるのか?と疑問に思っていました。
社内のデータアナリストの分析をしてもらうにも、仮説を立てて検証するのに時間がかかったり、仮説を立てている最中で上司からの根拠のないアドバイスに悩んだり…ということもありました。
そんな時に本書に出会い、「ひとりの顧客の心に耳を傾け、理解し、共感姿勢を貫く」大切さを改めて理解することができました。
本記事では、西口一希著者の『顧客起点マーケティング』の概要、目次、学んだことを紹介します!また、Twitterから読者の口コミも紹介してますので、参考にしてみてください!
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『顧客起点マーケティング』で伝えたかったことは?
私は本書で言っていることは、「顧客が何を求めているか?」を突き詰めて理解ればマーケティングを成功に導くことができる、ということだと思います。
著者の西口一希さんは、デジタル化が進むことによって部分最適を探すマーケティングや、データを意識するとマス思考の最大公約数を求めるようなマーケティングを行いがちと警笛を鳴らし、
「N=1」の個人レベルまで徹底的に深堀りをすれば、マーケティングで成果が望めるとしています。
また本書は3つのフレームワーク(顧客ピラミッド / 9セグマップ / N1分析)をベースにどのようにN1顧客と向き合うべきかについても提示しており、実践でも使いやすくなっています。
目次
目次をみれば、その本の内容がだいたいわかるようになっています。
また興味がある内容があるかも見つけやすいので、本書を読むか悩んでいる人は、確認してみてください!
- 第1章 マーケティングの「アイデア」とN1の意味
- 1-1 マーケティング「アイデア」とは何か
- 1-2 N1を絞り込むことを恐れない
- 第2章 【基礎編】顧客ピラミッドで基本的なマーケティング戦略を構築する
- 2-1 顧客ピラミッドの作成とその意味
- 2-2 行動データと心理データの分析
- 2-3 N1起点のカスタマージャーニー
- 2-4 「アイデア」創出と再現性の確認
- 2-5 5W1Hのマーケティング戦略立案
- 第3章 【応用編】9セグマップ分析で販売促進とブランディングを両立する
- 3-1 顧客9セグマップの作成
- 3-2 9セグマップ分析によるブランディングの議論
- 第4章 【ケーススタディ】スマートニュースのN1分析とアイデア創出
- 4-1 顧客ピラミッドと9セグマップの作成
- 4-2 詳細な行動データと心理データの分析
- 4-3 N1分析からの「アイデア」創出とコンセプトテスト
- 4-4 テレビCMでPDCAを回して集中投下
- 第5章 デジタル時代の顧客分析の重要性
- 5-1 デジタル社会に生きる顧客を捉える
- 5-2 デジタルベンチャーが起こす破壊的イノベーション
また『顧客起点マーケティング』に関して、内容をまとめたものがインターネットにも掲載されているので、本書を購入する前に読んでみるといいかと思います!
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『顧客起点マーケティング』の3つのフレームワーク
『顧客起点マーケティング』では3つのフレームワーク(顧客ピラミッド / 9セグマップ / N1分析)を紹介していると述べました。
顧客ピラミッドと9セグマップでマーケティングを行うターゲティングを定め、N1分析でアイデアを開発して、マーケティングの打ち手を実施していくとしています。
ここでは、この3つのフレームワークの概要についてまとめていきます。
顧客ピラミッド(5セグマップ)

ターゲット全体「認知/購買経験/購買頻度」を調査し、5つに分類する「顧客ピラミッド」を作成。具体的な顧客数を把握し、狙うセグメントを定めて施策を展開し上位移行を促します。
顧客ピラミッドを作成する利点としては、以下があげられます。
・上位2つの購買セグメントから大まかな年間売上貢献を把握できる
・セグメントごとに施策を決めて予算分配ができる
9セグマップ

9セグマップ分析で販売促進とブランディングを両立します。顧客ピラミッド(5セグマップ)にブランド選好の軸を加え、9セグマップを作成。図の左から右方向への顧客数の推移を販売促進、下から上への同推移をブランディングの効果として把握します。
9セグマップは、顧客ピラミッドの応用編のターゲティングの分類方法です。ここでいうブランド選好とは、購入者本人の次回の購入または使用意向とのことです。
顧客ピラミッドに、たった4つの質問を加えるだけで分類ができます。
・そのブランドを知っているかどうか?(認知)
・これまでに買ったことがあるかどうか?(購買)
・どれくらいの頻度で購入しているかどうか?(頻度)
・このカテゴリーにおいて、次も購入/使用したいブランドはどれか?(意思)
9セグマップを作成する利点は、以下があげられます。
・ブランディング目的のマーケティングの投資効果が可視化できる
・販売促進目的のマーケティングの投資効果が可視化できる
N1分析

顧客全体を捉えた一般的な調査では、人の心を動かす「アイデア」はつかめません。実在する「一人の顧客=N1」の行動と心理を分析し、強い「アイデア」を生み出します。
N1分析については、ロイヤル顧客に対して行うことが効果が高いとし、再現性、独自性などを検討しながら進めていくとしています。
本書には、著者の西口さんがロート製薬「肌ラボ® 」で働いていた時の実例が掲載されていました。
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『顧客起点マーケティング』で印象に残ったところ
私が本書を読みすすめる中で印象に残った箇所を引用し、意見を書いています。
顧客起点マーケティングとは?
一人の顧客を起点に商品やサービスの新たな可能性を見つける概念です
一人の顧客を徹底して理解することから有効な打ち手を導き出して拡大展開し、対象とする顧客セグメントの人数や構成比(%)の動きをみることで、マーケティング投資の効果検証まで行います。
顧客起点マーケティングとは?に関する記述です。
ここでのポイントは「投資の効果検証ができる」という点だと思います。
社内でマスマーケティングをやっても、一部分または全体的な伸び率でなんとなくの効果検証はできても、「費用帯効果としてはパフォーマンスは高くないが、なんとなく良かった」程度の内容になってしまい、
どこのターゲティングにどの程度貢献したか?まで解像度高く検証ができていない状態でした。
顧客起点マーケティングを使うことで、投資の効果検証ができる兆しが見えたのが良かったです。
マス思考
N=多数の調査から得られる結果は平均値であり、最大公約数でしかありません。
なぜN1分析が重要かを説明した文章です。
認知を増やす段階では最大公約数のマーケティングでも悪くないと思いますが、アーリーアダプターに受け入れられた後は次の戦略を練っていく必要があると思いました。
そんなときにマス思考ではいけない!と考えてN1分析ができると良さそうです。
アイデアの重要性
今後はますます、「プロダクトアイデア」に圧倒的な独自性があるかどうかが成功を左右していきます。顧客理解を起点とし、独自性を追求した「プロダクトアイデア」の開発と、伝えるための「コミュニケーションアイデア」の開発、そして認知獲得から購買行動につなげるまでの統合的なマーケティング設計が重要です。
今後のマーケティング(プロモーション)手法について説明しています。
突拍子のないアイデアがどこかからか湧いて出てくる場合もありますが、分析を使って、論理的に施策を考えられるようになりたいと考えました。
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『顧客起点マーケティング』の口コミ
私の意見だと物足りないかと思ったので、顧客起点マーケティングの口コミをTwitterで探してみました。
2019年初頭に出された本書ですが、今でも口コミが増え続けていて驚きました。
顧客ピラミッドと9セグマップは勉強になりました。「頭で考えるのではなく、心で感じたことを頼りにしなさい。ユーザーを対象物として見てはいけない、その気持ちに共感し、自分ごと化しないといけない。」の部分は響いたなぁ。#顧客起点マーケティング #マーケティング pic.twitter.com/vLQu4Udfak
— hossy (@_hossy_1) January 3, 2021
ブランディングについての考えっていまいち自分の中でしっくりきていなかったんだが顧客起点マーケティングはじめ西口さんの考えが一番しっくりくる
ロイヤル化を頻度ではなく次回購入したいかで考え、ブランディングがそのロイヤル化をするものと捉えると確かに役割がしっくりくる
— you8 (@you8802) January 2, 2021
マーケティング関連の本でお勧めなのが、P&Gマフィアの西口一希「顧客起点マーケティング」(西口さんは実績の割に知名度が低いように思う)
現代のサービスのマーケティングを考える上で最も実用的な本の一つになりうると思う。smart newsのケーススタディも非常に参考になった。年末年始のお供に是非 pic.twitter.com/Qn3K8nCsRP— じゅじゅ (@juju_gaishi) December 31, 2020

『顧客起点マーケティング』の書評まとめ
「顧客起点マーケティング」は、マーケティングで結果が伸びない、どう結果を報告しようか悩んでいる人におすすめの本です。
マーケティングの基礎概念を利用したフレームワークがでてくるので、マーケティングを始めた人には少しむずかしいかもしれませんが、実務に役立ちそうな内容ばかりなので、ぜひ手にとって読んでみてください!
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