書評

【概要&書評】『V字回復の経営』/三枝 匡

V字回復の経営_2年で会社を変えられますか

おすすめ度:(4.0)
対象者:自社の事業が不振だと感じている人、将来経営者になりたい人

こんにちは、毎週読書週間を目指すアラサー女子のウォンバット(@akikoo1)です。

サラリーマンとして事業に貢献したいと考えているときにおすすめされたのが、『V字回復の経営』です。

ひとつの文章が最近の著書と比べて長いので、読了に時間がかかってしまいましたが、読んで良かったと思える本です。

『V字回復の経営』で伝えたかったことは?

私が思うV字回復の経営で伝えたかったことはメインとして2つあると思っています。

・会社を率いるということには「覚悟」がいること
・物語ベースで事業立て直しについて伝えることで、「生々しい経験」を共有すること

この2点をメインにどうすれば企業の立て直しができるか、というヒントが散りばめられていると想います。

その事例として「不振事業の症状50」と「改革を成功に導くための要諦50」が記載されています。

目次

  • 第1章 見せかけの再建
    再び業績悪化/不発だった改革/若手ミドルのぼやき/日陰にいた切り札
    ・三枝匡の経営ノート1 自然死的衰退への緩慢なプロセス
  • 第2章 組織の中で何が起きているか
    出席者の多い会議/管理者たちのすくみ合い/競合他社の話はどこへ/真の赤字要因を追わず/多すぎるプロジェクト  他
    ・三枝匡の経営ノート2 改革の推進者と抵抗者のパターン
  • 第3章 改革の糸口となるコンセプトを探す
    埋もれていた人材/なんでもあり/強烈な反省論/500枚のカード/コンセプトの必要性  他
    ・三枝匡の経営ノート3 「経営の創造性」に負けた日本
  • 第4章 組織全体を貫くストーリーをどう組み立てるか
    組織のスピード感応性/漂う孤独感/本当につぶれるなんて思っていない/改革者をどう守るか/トップの関与  他
    ・三枝匡の経営ノート4 改革シナリオの説得性
  • 第5章 熱き心で皆を巻き込む
    淡々たる退場者/過激派の出現か/拗ねと甘え/すべて他人事だった/気骨の人事  他
    ・三枝匡の経営ノート5 改革・8つのステップ
  • 第6章 愚直かつ執拗に実行する
    覚悟のスタート/組織のスピード化/顧客への接近/驚きの変化/新しい「販売ストーリー」  他
  • エピローグ 事業変革の成功要因

印象に残った不振事業の症状

症状7:激しい議論は大人気ないと思われている
症状11:ミドルが問題を他人のせいにばかりしている
症状14:会議の出席者がやたら多い
症状19:社内では顧客の視点や競合の話がなく、内向きの話ばかり
症状34:組織の末端のあちこちに一種の被害者意識が広がっている
症状37:「絞り」「セグメンテーション」の考え方が足りない
症状41:社員が勤勉でない。とりわけ役員やエリート層が汗を流していない
症状50:狭い社内で同じ考え方が伝搬し、皆が似たようなことしか言わない。社外のことに鈍感

ここに書かれていることは、私自身経験したことがあります。ただ、これが不振事業の始まりなのかでいうと、まだ鵜呑みにできない部分もあると感じています。その理由が、私が前職で勤めている会社は、それでもなお業績が伸び続けているからです。

もしかすると、以前はその現象に当てはまっていたが、いつの間にか偶然にもその症状から回復していたということもあるかもしれません。

例えば、「症状50:狭い社内で同じ考え方が伝搬し、皆が似たようなことしか言わない。社外のことに鈍感。」でいうと、正社員の採用が進んでおらず、社内では同じメンバーの凝り固まった考えが蔓延っていましたが、ふとしたときに正社員が数名一気に採用されることになりました。新しい人が大量に入ることによって、既存の概念は大幅に覆されることとなったのです。

この症状があるからダメ企業ということではなく、ダメかもしれないという現状に気づき、改善できる余地があるといいかと思いました。

改革を成功に導くための要諦で共感したもの

要諦1:改革チームの人選は、改革の成功・失敗に決定的な影響を及ぼす
要諦9:「創って、作って、売る」をスピードよく回すことが顧客満足の本質
要諦11:「組織の再構築」と「戦略の見直し」はワンセットで検討することが不可欠
要諦19:前向きに進もうとしている人々を守るのは改革リーダーの最大の責務である
要諦20:事業再生の道がない「悪性の赤字」は、恥も外聞もなく早期に撤収すべきである
要諦21:計画を組む者と、それを実行するものは同じでなければならない
要諦32:「強烈な反省論」と「解決策」は抱き合わせて発表するのが常道
要諦44:仕事の「頑張り」は、「仕組みによる強さ」のストーリーが明確な場合に生まれてくる

特に、私が共感したのは「要諦11:「組織の再構築」と「戦略の見直し」はワンセットで検討することが不可欠。」「要諦32:「強烈な反省論」と「解決策」は抱き合わせて発表するのが常道。」の2つでした。

不振事業の改革を行う際に、必要な内容が書かれていると感じました。文章で見ると簡単そうですが、本書に書いてあるように実行するのは大変そうだと感じました。

以上です。