書評

【概要&書評】『自分のアタマで考えよう』/ちきりん

書評 自分のアタマで考えよう

おすすめ度:(4.5)
対象者:人生をよくしたいと思っている人

こんにちは、毎週読書週間を目指すアラサー女子のウォンバット(@aka_wombat)です。

ブロガー&ユーチューバーとして活躍されているマナブログのマナブさん(@manabubannai)がおすすめされていたちきりんさんの『自分のアタマで考えよう』を読みました。

本書を読んで、今まで自分は「考えたこと」がなかったのではないかと思いました。それくらい衝撃を受けました。

世の中には、解法が用意されていない課題がたくさんあります。その答え探しは、本が教えてくれるかもしれませんし、他人が教えてくれるかもしれません。ただ、そんなときに自分で答えを見つけれる人間になれると教えてくれました。

また繰り返し読みたいと思える本のひとつです。

『自分のアタマで考えよう』で伝えたかったことは?

ちきりんさん特有の「考えるための方法論をまとめた本」になっています。考えるための方法を社会的、政治的視点から検討を重ねています。

そして本書では自分のアタマで考えるステップを説明しており、知識と思考を切り離し知識を使わずに自分の頭で物事の結論をつけることの楽しさを伝えています。

その上で自分のアタマで考えると「独自の視点や感覚が持てるようになる」という利点があります。

この本に出てくる用語の定義まとめ

本書に出てくる「考える」、「知識」、「思考」という用語は、私たちが普段から聞き慣れている用語です。明確に区別されているので、整理しておきます。

・考える…結論づけること(なにかを決めること)
『「考えること」「思考」とは、インプットである情報をアウトプットである結論に変換するプロセス』のこと。

その上で知識と思考を切り離すことで、自分で考えることのきっかけになると述べています。

・知識…「過去の事実の積み重ね」
・思考…「未来に通用する論理の到達点」

一部の知識は「過去において、他の人がその人の頭で考えた結果」です。…なにかを考えろと言われたときにそれを頭の中から取り出してくるのは、他人の思考を頭の中から取り出してくる行為にほかなりません。

目次

  • はじめに
  • 序 章:「知っていること」と「考えること」はまったく別モノ
  • 第一章:最初に考えるべき「決めるプロセス」
  • 第二章:「なぜ?」と「だからなんなの?」と問うこと
  • 第三章:あらゆる可能性を検討しよう
  • 第四章:縦と横に比べてみよう
  • 第五章:判断基準はシンプルが一番
  • 第六章:レベルを揃えて考えよう
  • 第七章:情報ではなく「フィルター」が大事
  • 第八章:データはトコトン追い詰めよう
  • 第九章:グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する
  • 終 章:知識は「思考の棚」に整理しよう
  • おわりに

「考える」のプロセスまとめ

ちきりんさんの考えた「考える」プロセスまとめと私の読書メモを残しておきます。

・知識と思考を分離すること
→知識は他人が頭で考えた結果に過ぎないので、思考と分離することによって自分の意見を見つけることができる

・意思決定のプロセスを決めること
→意思決定のプロセスを決めないと「考える=結論付ける」ことが難しくなる。作業と思考は別物で、現代の社会人の一日に考える時間は短い。考える力をつけたい場合は、一日30分でもいいから考える時間を確保して、その時間を伸ばしていくこと。

・なぜ?だからなんなの?と問うこと
→データを見たときは、その背景(=データの前段階)を考える「なぜ?」と、そのデータをどう解釈・判断し、対応すべきかと一歩先(=データの後段階)を考える「だからなんなの?」のふたつの問を常に頭に浮かべましょう。

・あらゆる可能性を探ること
・縦と横に並べて比較してみること
→分析方法で役立つのは比較。比較の対象(なにとなにを比較するのか)、比較の項目(どのような点について比較するのか)が必要。表などにして整理して落とし込むことで、内容の理解が深まる。また、その結論付ける前にプロセスも比較して落とし込むと、ものごとの進め方や段取りがわかるようになる。

・判断基準の取捨選択をすること
決めるときに判断基準が多いと決められないので、判断基準を捨て、優先順位をつける。

・レベルをごっちゃにしないこと
・自分独自のフィルターを見つけること
→粒度を少し細かくした自分独自の判断基準を見つけること

・データはトコトン追いかけること

・視覚化で思考を深化させること
→思考の過程において、言語化したあとに視覚化することで、自分の考えの甘かった部分を見つけることができる。

・知識は思考の棚に整理すること

『自分のアタマで考えよう』を読んで印象に残ったこと

本書を読んで一番共感したのが、「意思決定プロセス」を決めることでした。社会には、この意思決定プロセスがないことがよくあると感じたためです。

会社でよく「◯◯のプロジェクトをやるか検討したいので、調査をお願いします」と言われることがあります。結局、調査をして、上司に話しても「GOサイン」が降りないことがありました。

私はこれを踏まえて、自分の調査が結論を出すに至らない情報量だったと考えていました。本書を読んで、これはプレゼンの方法の問題だったのでは?と思うようになりました。

例えば、会社に判断基準を決めて欲しいと懇願することもできますが、すべてのマネージャーや社長が判断基準を作ることができるわけじゃないです。調査してほしいと言われている以上、ほとんどの場合は、そのことを実行したいんだと思います。

なので、調査してみて「やってみても良さそう」と思える結果の場合は、やったほうがいい理由をならべ、私がやりますという意志を添えると実行できるのではないか?と思いました。

以上です!