書評

【概要&書評】『OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』/クリスティーナ・ウォドキー

書評 OKR

おすすめ度:(3.5)
対象者:ベンチャー企業の経営者、OKRを導入予定の企業で勤める人

こんにちは、毎週読書週間を目指すアラサー女子のウォンバット(@akikoo1)です。

会社で必要に迫られ、『OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』を読みました。

OKRとはGoogleやメルカリが導入している組織の目標達成のための定量的に評価する仕組みのことです。KPIに代わる目標管理手法として注目されています。

本書は、第一章でストーリー形式にOKRの導入過程を説明し、第二章でOKRの手法をまとめています。

導入してみて本書が活きると思ったので、今回はOKRのフレームワークをまとめていきたいと思います。

『OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』で伝えたかったことは?

本書ではOKRという組織の目標管理手法のフレームワークを示した基本書になります。OはObjective(目標)、KRはKey Results(主な結果)の略です。

このシステムの構成は3つでできているといいます。

第一に人を鼓舞し、効果を測定できるようなゴールを設定すること。

第二に、やることがほかにどれだけあっても、自分とチームが常に望ましい最終形態に向けて突き進むようにすること。

第三に、チームメンバーが目標を忘れず、かつ各メンバーが責任を自覚できるような習慣をつくり出すこと

(イントロダクション:OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法より)

数字にこだわらない人を鼓舞して動かすのがO。数字にこだわる人に対してOの現実味を示してくれるのがKR。

営業だけでなく他の部署の人の目標を適切に管理できる可能性がある手法です。もし時間がなく、理論だけを知りたい場合は、第二章を読めばOKです!

注意点としては、翻訳書特有なのかわかりませんが、見出しのまとまりの区切りがわかりづらいというデメリットがあります。そのため、内容が前後したり重複したりしてる印象でした。

目次

  • まえがき
  • イントロダクション
  • 第1部 実行家の物語
  • 第2部 OKRのフレームワーク
    • なぜ、やり遂げることができないのか
    • プロダクト・チームのOKR
    • OKRの実行を習慣にする
    • OKR設定ミーティングを開催する方法
    • 会社の目標をサービス部門のOKRと結びつける
    • OKRのスケジュール
    • MVPのためのOKR
    • OKRで毎週の状況報告メールを改善する
    • よくあるOKRの失敗例
    • OKRと年間レビュー
  • OKR活用のヒント解説   及川卓也

この本から勉強したこと

OKRの管理手法のメインの特徴がわかる

本書では、OKRの管理手法とメインの特徴について理解できます。

いくつかステップがあり目標を設定をし、週次の会議を持つことでモチベーションを維持するものだという内容でした。

詳細の内容は人事管理ツールのカオナビの記事に内容が無料でまとまっていましたので、ここでは割愛します。

(参照:OKRとは? 【Google、Facebookが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い、導入・運用・目標設定方法について解説

この本を読んで疑問に思ったこと

OKRとKGI・KPIの違い

この本を読んでOKRとKGI・KPIの違いを疑問に思ったので調べてみました。

抽象的なゴール設定ができるため、すべての部署に適用しやすい。
KGI・KPIというのは基本的には数値(売上)で構成されることが多いが、OKRのO(目標)は「定性的で人を鼓舞する内容」を設定するとしている。

Oで定性的な目標をKRで定量的な目標を設定することで、数値で動かない人も巻き込んで組織の目標を達成させようという狙いがあるそうです。

OKRの手法を用いれば、プロダクトチーム(デザイナー、アナリスト、エンジニア)の目標管理も可能ということです。

前職ではKGI(Key Goal Indicatorの略:重要目標達成指標)とKPI(Key Performance Indicationの略:重要業績評価指標)を用いて、全社の年間の売上をKGIに営業部は売上をKPIに、マーケティング部は有効な問い合わせ数をKPIとして置いていました。

問題は、エンジニア部門でした。マーケ部門の数値を肩代わりさせるように目標を決めていたのですが、エンジニアのスタッフはその目標は難易度が高いと思っていたし、自分の仕事と合わないと思っていたようです。

もしかするとOKRの目標管理手法を使えば、彼もワクワクする毎日を送れるかもしれないと思いました。

人材評価ツールなのか?目標達成に役立つツールなのか?

OKRを読んで、その後ウェブ上の記事を読んでいるときに疑問が湧いてきました。

私はOKRは目標を達成するための管理手法という理解で、人事評価制度とは異なると理解していました。

しかし、ウェブサイト上では人事評価制度の一貫として用いられているという記事を見ました。確かに目標を達成すると評価されるべきですが、人事評価としてのツールとしては引き離して使うものかと思いました。

本件については実践してみて、別々の概念なのかを検証できればと思います。

参照:(メルカリ人事 石黒さんが教えてくれた「超成長企業の人事評価制度」 -インタビュー前編―

以上です。経営者の人やOKRを社内に導入予定の人は参考にしていただければ光栄です!