おすすめ度:(4.5)
こんにちは、毎週読書週間を目指すアラサー女子のウォンバット(@akikoo1)です。
本日は、社会人になったばかりのマーケティング担当者やベンチャー企業に勤める人におすすめしたい『100円のコーラを1000円で売る方法』の感想を書きます。
マーケティングの4P分析について触れており、特に製品・価格について、ストーリー仕立てでわかりやすく語られています。
「マーケティングって何だろう?」
「マーケティングの基礎が知りたい」
このような疑問や希望がある方は、ぜひ手にとって読んでみることをおすすめします。
単行本であれば1,500円程度ですが、現在Kindleであれば321円で購入できます!
『100円のコーラを1000円で売る方法』とは?
普段は100円で購入できるコーラも、高級ホテルに行けば1,000円で購入できます。
というところから名付けられていた本書のタイトルですが、正直内容とはあまり合っていないとは思います。
この本は「マーケティングの基礎である4P分析を理解・応用することで、商品が売れる流れをわかりやすく解説する」ものだったと思います。
(※マーケティングの4P分析には、別の機会で解説したいと思います。)
目次のタイトルと本書のタイトルも合ってないので、「いつからコーラの話が始まるの?」という感じになりますが、一貫したストーリーで、会計事務所に勤める女性が新商品の開発を行い販売を進めていくところまでが描かれています。
著者:永井 孝尚さんについて
現在はマーケティング戦略コンサルタントとして、講演や本の執筆に携わっています。
1984年に慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。マーケティング戦略のプロとして事業戦略策定と実施を担当。さらに人材育成責任者として人材育成戦略策定と実施を担当し、同社ソフトウェア事業の成長を支える。2013年に日本IBMを退社し独立。
これまでに24冊出版されており、本記事で紹介している『100円のコーラを1000円で売る方法』のマンガバージョンや図解バージョン何かもあります。
どれもマーケティング戦略に関わる部分なので、まずはコーラの本を読み終えたら、読んでみてもいいでしょう。
この本から学んだ新しいこと
マーケティングは集客だけではない
私はウェブマーケティングをメインにウェブサイトへの集客を行っていましたが、マーケティングというのは集客以外の概念もあるのだ、と気付かされましたw
本書のストーリーを読むことで、「商品開発」「値付け」に関することが多く述べられており、自分のマーケティングへの考え方が、「商品の集客→販売」によっていたことを気付かされました。
顧客の要望を聞くことだけでは問題解決はしない
この本で2章に渡って「顧客満足」を高めるためにはどうすればいいかが紹介されています。
顧客満足というのは以下の式で成り立ちます。
顧客満足 = 顧客が感じた価値 ー 事前期待値
なので、事前期待値が100点で顧客が感じた価値が100%で応えるだけだと、顧客満足は0点になるというものです。
そして本書では、顧客が感じた価値というのをいかにあげられるかという方法に「バリュープロポジション」を掲げています。
バリュープロポジションとは
「顧客が望んでいて、競合他社が提供できない、自社が提供できる価値」のことです。
私はこの本から改めて「お客様の言いなりになることは、顧客満足を高めることに繋がらない」と感じました。
また顧客満足を高めるかは「お客様が何を解決したく、その目的に一緒に向かっているのかを確認すべき」と感じました。
この本を読んで疑問に思ったこと
参考文献が著者の本ばかりで原典がわからない
『100円のコーラを1000円で売る方法 』を読了したときに、たくさんの新しいことを知ることができたので、ぜひもっと他の文献を読んでみたいと思いました。
本書は文末に参考になる書籍が記載されていますが、それが本著者の作品ばかりでがっかりしました。
私は理論や方法論を深く知るためには原典を振り返って読むほうがいいと思っているので、著者の前作ばかりが紹介されているのをみて、関連本を読むのを止めてしまいました。
ストーリーの冗長が多い
ストーリー構成がバリキャリの女性と、それを見守る上司。
その女性の身勝手さには、見ていても歯がゆくなるような感じがしました。
またこの女性は実在しないと思ったので、主人公の気持ちになって考えることができませんでした。
ただ小説のようなストーリー仕立てにしている分、サクッとよめるという利点もあるため、オーバーなストーリーも仕方ないかと思いました。
この本はどんな人におすすめ?
本書はマーケティング担当者として働き始めた人やベンチャー企業に勤める人におすすめしたいです。
マーケティング担当者が読むと、新商品が出来上がる背景からプロモーションまでの社内の動きなどが一貫してわかるようになります。
ベンチャー企業に勤める人が読むと、「どのように商品が売れるのか」という仕組みを勉強することができます。
なんといっても、Kindleで購入すると321円、スーパーでコーラ3本分を購入するのと同じくらいの料金です。こんなに安くマーケの知識がはいるなら読んでみても損はないです!